被害にあうと…

被害者遺族の手記

伝えたい想い

こちらのページでは、実際に当センターにお寄せいただいた「被害者遺族の方の手記」を掲載しています。

卓弥へ

日時:ー
著者:故齋藤卓弥くんのおかあさま

君に逢えなくなったあの日から、二年十ヵ月がたちました。
止まってしまった時間は、あいかわらず母の中では止まったまま。
それでも母の生きようとする道は、ほんの少し開けてきたような気がします。

「命の大切さ」を我が身をもって教えてくれた卓弥。
母も多くの人に「命の大切さ」「生きているという奇跡」それを伝えていこうと決めました。
母の出来ること、もしかしたら母にしかできないことかもしれないから…。

三月の卒業式に「約束をしたから」と君の写真を胸に晴れの舞台に臨んでくれた女の子。そしてそれを許して下さった学校、そして校長先生にどんなに感謝をしたことか。
父は、君のかわりに、卒業証書を受け取りました。
ナンバーの書いていない卒業証書。一生の宝物です。

約束は守るもの。そのはずなのに母は二つも約束を破っています。
「君を一生守る。」そう決めた、君が産まれた日。
そして「ママもすぐ行くから…。」そう言ったあの霊安室。
ごめんなさい。母はもう少しこちらでがんばらなければならないようです。それを「自分の使命」そう信じています。

君が大好きだった大切な友人たちは、みんながんばって君の分まで生きてくれています。
そしていつも君のことを思い過ごしてくれています。

今、君は何をしていますか?
それでも母はこれだけは言いたいんです。いつでも、何年たっても。
逢いたい
話したい
抱きしめたい

…卓弥…